昨晩眠れぬまま、ベッドでぼんやりしていたら、中学校の同級生だったS君のことを思い出した。
優しくて成績優秀でとてもいい友達だったが、彼には一つだけ理解できないおかしな性癖?があった。
それは音楽の2部合唱の授業をさせられている時、主旋律ではないハーモニーパートをやらされると笑いが止まらなくなる事であった。
とにかくそれが始まった途端顔を真っ赤にして笑い転げて「これ変だよう。」とずっと抗議しているのである。
私は自分の音程をとるのに苦労しながら、多少いまいましい気持ちで机に俯せて笑っているS君を眺めたものだった。
でも、うん十年たった今ではS君にすごく感謝している。せっかくの主旋律に無理やり絡ませたハーモニーほど音楽を台無しにする物はない。例えハーモニー、内声部、副旋律であろうと、心を込められない機械的な旋律にはまず演奏者がつまらなくだろうし、そういう音楽を聴かされる側は言わずもがなである。
自戒の念を込めてS君に感謝! 今日は真面目な私でした。